【プロ野球】阪神の高卒野手で大成した選手って、関本以来いないの?
(2022年9月更新)
おひさしブリタニア。
だう。です。
久しぶりな今日は、野球の話題です。
今朝、こんなまとめ記事を見かけました。
関本といえば、現在は大阪ローカル局を中心にタレントとしても活躍する、元プロ野球選手。
プロ生活を阪神一筋で過ごしたことから、とりわけ阪神ファンに愛された存在でした。
しかし彼がプロ入りしたのはドラフト会議で2位指名を受けた1996年のこと。
それから22年の歳月が流れているわけで、さすがに阪神が彼以来、高卒野手を大成しきれていないはずがない。
というわけで調べてみました。
関本以来、関本クラスは誕生していないのか?
1.「関本賢太郎」という条件
調べるにあたり、まずは「関本賢太郎」という選手がどのような実績を残したのか、知る必要があります。
そんなわけで、彼のプロ入り後の主な実績を軽くまとめてみました。
◇二塁手連続守備機会無失策のセリーグ記録保持者(記録は804)
◇1試合4犠打(プロ野球タイ記録、史上8人目)
◇開幕戦代打本塁打を記録(史上18人目、セリーグでは7人目)
◇プロ入り後阪神に19年間在籍(球団歴代3位の長さ)
◇球団第92代・四番打者
◇通算出場試合数は1272
やや地味な印象はありますが、二塁手として連続守備機会無失策の記録と球団歴代3位の在籍年数、そして1200オーバーの出場試合数がチームの主力選手として活躍した証だと言えます。その一方で規定打席到達数は2度と少ないですが、一度も到達できずにプロ生活を終えた選手が大多数なことを考えると、これも一つの基準になりうるでしょう。
というわけで、以下の項目をすべてクリアしていることを、今回の「大成」の条件に定めます。
◆シーズン規定打席到達:2回以上
◆入団後10年以上阪神に在籍しており、移籍なし
◆シーズンタイトル、もしくはプロでトップとなる記録を1つ以上保持した経験がある
◆通算出場試合数が1000を超えている
あ、ちょっと難しそう。
2.1997年以降の「阪神の高卒野手」
ではいよいよ本題。関本がプロ入りした1996年よりも後に入団した高卒野手を一覧化します。
ちなみに関本が入団したのと同じ年に、和製スラッガーとして人気があった濱中治も入団しています。
1997年:なし
1998年:寺田祐也(内野手・ドラフト5位)
1999年:新井亮司(捕手・ドラフト4位)
2000年:狩野恵輔(捕手・ドラフト3位)
2001年:桜井広大(外野手・ドラフト4巡目)
2002年:松下圭太(外野手・ドラフト12巡目)
2003年:小宮山慎二(捕手・ドラフト5巡目)
2004年:大橋雅法(捕手・ドラフト5巡目)、高橋勇丞(外野手・ドラフト7巡目)
2006年:野原将志(内野手・高校生ドラフト1巡目)、橋本良平(捕手・高校生ドラフト3巡目)
2007年:高濱卓也(内野手・高校生ドラフト1巡目)、森田一成(内野手・高校生ドラフト3巡目)
2008年:なし
2009年:原口文仁(捕手・ドラフト6位)
2010年:中谷将大(捕手・ドラフト3位)
2012年:北條文也(内野手・ドラフト2位)
2013年:横田慎太郎(外野手・ドラフト2位)
2014年:植田海(内野手・ドラフト5位)
2015年:なし
2016年:なし
2017年:なし
2018年:小幡竜平(内野手・ドラフト2位)
2019年:井上広大(外野手・ドラフト2位)、遠藤成(内野手・ドラフト4位)、藤田健斗(捕手・ドラフト5位)
2020年:高寺望夢(内野手・ドラフト7位)
2021年:前川右京(外野手・ドラフト4位)、中川勇斗(捕手・ドラフト7位)
1998年以降、毎年ほぼ1名以上は野手を獲得していましたが、2015・2016年は大卒・社会人の指名が中心。2017年は清宮幸太郎と安田尚憲の指名権を抽選で外し、大卒選手中心の指名にシフトチェンジ。2018年は藤原恭大の指名権を外し、社会人中心の方針に切り替えています。
しかし2019年は一転、本指名6名中5名が高卒選手で、しかもそのうち野手が3名と、これまでの傾向を覆すドラフト戦略を見せました。
ちなみに2010年ドラフト2位の一二三慎太は投手として指名されているため、ここでは除外しました。
3.「関本超え」は、いるのか
関本超えの高卒野手は果たしているのか。
まず目に入ったのが、狩野恵輔。打てる捕手としてプロ9年目にはレギュラーを獲得しました。
プロ入り後17年間阪神一筋、という在籍年数は条件を満たしていますが、その他の項目は満たしておらず。残念。
次いで出てきたのは桜井広大。和製大砲として期待されましたが、10年間の在籍中、実働年数は4年。規定打席到達も未達でした。
そして最も期待が高まったのが、前田大和。プロ2年目から登録名を大和とし、内外野守れるユーティリティープレーヤーとして活躍しました。
2013・2014年に規定打席到達。2014年にはゴールデングラブ賞を獲得しています。
通算出場試合数は862。1000試合には達していませんが、阪神入団以降12年間一筋……
一筋……
はい、大和は昨季オフにFAし、現在はDeNAに所属しています。ということで条件達成とは言いづらくなってしまいました。
以後、原口文仁、中谷将大、北條文也らが奮起していますが、レギュラー奪取には至らず。中谷は2021年シーズン途中にソフトバンクへ移籍しています。
2018年以後の入団選手でレギュラー獲得に一番近いのは小幡竜平。プロ2年目の2020年から3年連続で年4〜50試合に出ており、少しずつ出場機会を増やしています。
4.まとめ
阪神の高卒野手で大成した選手は、関本以来いないのか?
その結論は「大和が一番近かったが移籍してしまったため、現状では該当者なし」となりました。
しかし2019年のドラフト以降に入団した選手達は現在二軍で奮闘中。何年か後、彼らがチームの顔として活躍するのが楽しみです。