【プロ野球小ネタ】世代別でチームを作ってみた〜1974世代編〜
世代別でチームを作ってみよう! というネタはよく見る類の小ネタである。度々その手のスレまとめを見るのだが、選手の拾い上げに弱さを感じていた。
もうちょっと気合い入れて選手のピックアップしようぜ! この手のデータくらいちょっと頑張れば集められる時代だぜ!
そんなことをずーっと考えているので、なら実際に書いてみようぜ、と。
第一回として取り上げるのは、1974年4月~1975年3月生まれの世代。(文中敬称略)
1974世代って誰がいるの?
どういう世代かというと、プロ野球の現役最年長選手である、岩瀬仁紀(中日)の世代だ。さらに言えば来季のロッテの監督となる井口資仁や、先日、米野球殿堂入り候補となったことがニュースになった松井秀喜らが同じ世代。
一般的に言えば、(たぶん)ゴジラ世代である。
統計で見る1974世代
この世代でプロ野球の世界に身を投じた選手はトータル88人いる。世代別で見れば多い方だ。
88人のドラフト指名順位の内訳は以下の通り。
1位:8人
2位:12人
3位:7人
4位:19人
5位以下:42人
ちなみにこの世代では竹岡和宏(元ダイエー)が2003年のドラフト会議で8巡目指名を受けており、29歳でのプロ入りとなった。
また、プロ入り前の最終キャリアで分けると以下の通りとなった。
高卒:33人
大卒:25人
社会人:30人
1974世代の歩み:高校編
彼らが高校3年生だった92年、最も注目を集めたのは言わずもがな、松井秀喜だ。超高校生級スラッガーとして瞬く間に全国に名を轟かせ、92年夏の5打席連続敬遠は今でも語り草になっているほど。しかし当の松井が在籍した星稜高校はこの年、春夏ともに優勝は叶わなかった。ちなみに92年春のセンバツを制したのは三澤興一擁する帝京高校、夏は西日本短大附属高が優勝した。
この年のドラフト会議では松井が4球団競合(中日、ダイエー、阪神、巨人)の末、巨人が交渉権を獲得。彼のほかには、2年春&3年夏の時に村野工高のエースとして甲子園に出場した左腕・安達智次郎が阪神に1位指名されている(松井の交渉権を外した後の再指名)。
2位以下で指名を受けた選手には、黒田哲史、田原晃司、牧野塁、西浦克拓、村田善則、塩谷和彦、菊地原毅、戸叶尚、野口茂樹らがいる。
1974世代の歩み:大学編
彼らの世代が大学4年生となった1996年はアトランタオリンピックが開催。当時のオリンピックの野球は大学生や社会人などのアマ選抜で日本代表チームを結成しており、この世代からは今岡誠、井口忠仁(資仁)、三澤興一、森中聖雄の4人が選出され、銀メダル獲得に貢献した。
この年のドラフト会議では青山学院大の井口、清水将海、澤崎俊和が揃って1位指名を受けてプロ入り(井口、澤崎は逆指名制度を利用)。さらに倉野信次も4位でダイエーの指名を受け、同一大学から一挙4名がプロ入りした。そのほか、井口と共に日本代表メンバーだった今岡が阪神を逆指名しプロ入りした。
2位以下では、柴原洋、三澤興一、堀田一郎、中野栄一、筒井壮、黒田博樹、小野公誠、副島孔太、森中聖雄、佐竹学らが指名を受けている。
1974世代の歩み:社会人編
1974世代で社会人からプロ入りを果たした選手のうち、最も早かったのは97年ドラフトで指名を受けた4人。その中にはダイエー時代末期に先発ローテの一人として活躍した星野順治がいる。
続けて98年には大学を経た社会人選手が9人プロ入り。その中でドラフト1位指名を受けたのは“幕張の防波堤”こと小林雅英、2位指名を受けたのが岩瀬仁紀だった。
さらに99年は7人がプロ入り、ドラフト1位指名は山口和男ひとりだったが、下位指名には後藤光貴や貝塚政秀といったファンの記憶に残る存在も。
00年にはリリーフで投げまくった岡本真也ら3人が、01年には牧田勝吾ら3人が、そして03年には前述の竹岡和宏がダイエーに入団した。
選手ピックアップ
その88人の中から出場登録選手の人数分(28人)をピックアップしてみる。
【投手】
○先発候補○
黒田博樹(元広島など)、野口茂樹(元中日など)、後藤光貴(元西武など)
星野順治(元ダイエー)、澤崎俊和(元広島)、戸叶尚(元横浜など)
○リリーフ○
三澤興一(元巨人など)、菊地原毅(元広島など)、岡本真也(元中日など)
森慎二(元西武など)、倉野信次(元ダイエー)、山口和男(元オリックス)
牧野塁(元オリックスなど)、森中聖雄(元横浜)
○クローザー○
岩瀬仁紀(中日)、小林雅英(元ロッテなど)
【捕手】
村田善則(元巨人)、清水将海(元ロッテ)
【内野手】
今岡誠(元阪神など)、黒田哲史(元西武など)、井口資仁(元ダイエーなど)
佐竹学(元オリックスなど)、副島孔太(元ヤクルトなど)
【外野手】
松井秀喜(元巨人など)、大友進(元西武など)、貝塚政秀(元西武)
柴原洋(元ダイエー)、西浦克拓(元日本ハム)
この世代の代表格は何といっても高卒でプロ入りしスターダムにのし上がった松井だが、チームの中心となるのは井口や黒田博樹に代表される大卒組だ。
オーダー
○オーダー○
1(右)柴原
2(左)大友
3(二)井口
4(中)松井
5(三)今岡
6(一)貝塚
7(指)西浦
8(遊)黒田哲
9(捕)清水
思ったよりもリリーフ投手が豊富な世代。岩瀬と「幕張の防波堤」小林雅英のWクローザーは強力だ。他にも「鉄腕」菊地原毅や、球界最速を目指した男・山口和男、クローザーとしても鳴らした森慎二など記憶に残る好投手が多い。先発は黒田と野口茂樹の左右エースが並ぶが、三番手以後はややインパクトに欠けるか。
打線は、下位になるにつれて打撃が細る感じは否めないが、元大リーガー2人を擁するクリーンナップは見栄えがいい。万一3,4番で取りこぼしても打点王・今岡誠がおり、得点が期待できる。
今回惜しくも選外となった選手は以下の通り。
塩谷和彦(元阪神など)、筒井壮(元中日など)、田崎昌弘(元横浜など)、
小野公誠(元ヤクルト)、田原晃司(元西武)、佐久本昌広(元ダイエーなど)、
黒木純司(元日本ハムなど)、阿久根鋼吉(元日本ハム)
次回は、この程西武への復帰が発表された松井稼頭央の1975世代をピックアップします。