現役時代は広島の主砲として活躍し、現在は監督となってチームを率いているのが“新井さん”こと新井貴浩だ。
選手・ファンの垣根を超えた愛されキャラに代表される1976世代(1976年4月〜1977年3月生まれ)は個性的な選手が揃った世代だ。(2017.12.09 初出、2025.8.12 加筆修正)
1976世代って誰がいるの?
個性的な選手が並ぶこの世代、一番の個性派と言えばサブマリン投法で一時代を築いた渡辺俊介。さらに、日本人初のメジャーリーグ出場捕手となった城島健司、“ミスター右中間”の異名で2打席連続満塁弾も記録した二岡智宏や、引退セレモニーでの「スタンドイン遠投」が今なおファンの語り草になっている英智はその代表格だ。また、5年連続盗塁王の“レッドスター”こと赤星憲広、2006年のWBCベストナインに選ばれた里崎智也などタレントとして活躍している人物もいる。
統計で見る1976世代
プロ入りを果たした1976世代は78人。その指名順位別の内訳は以下の通りだ。
1位:11人
自由枠:1人
2位:11人
3位:14人
4位:15人
5位:8人
6位:6人
7位:5人
8位:3人
9位:3人
14位:1人
先に挙げた1974・1975世代に比べると圧倒的と言えるほどに上位指名が多い。しかし前項で挙げた中では城島が1位、二岡が2位で、渡辺・赤星・英智は4位指名、新井は6位指名だったりする。活躍する選手が必ずしも上位指名を経て入団したわけではないのが興味深いところだ。
プロ入り前の最終キャリアで分けると以下の通り。
高卒:27人
大卒:20人
社会人:31人
球団別で見てみると、広島が最多の10人。次いで横浜とオリックス、日本ハムの3球団が9人を指名している。最も少ないのは楽天の2人だが、楽天がドラフト会議に初めて参加したのが2004年であることを考えると、1976世代を指名できたのはミラクルに近い。球団別の内訳は以下の通り。
10人:広島
9人:横浜、オリックス、日本ハム
8人:ロッテ
6人:近鉄
5人:巨人、中日、ダイエー
4人:阪神
3人:ヤクルト、西武
2人:楽天
1976世代の歩み:高校編
1976世代が高校3年生になった1994年、春のセンバツ(第66回大会)では金沢高校の中野真博が完全試合を達成し注目を集めたが、大会を制したのはこの年が悲願の初優勝となった智辯和歌山高校だった。夏の甲子園(第76回大会)は佐賀商業高校が制した。
この年のドラフト会議で注目されたのは、高校通算41本塁打の横浜高校・紀田彰一(横浜)と、高校通算52本塁打の北陽高校・嘉㔟敏弘(オリックス)。ともに2球団競合で1位指名を受けた。また、駒澤大進学が決まっていた城島健司をダイエーが1位で強行指名し、物議を醸した。このほか、山村宏樹(阪神)、田中宏和(近鉄)、大村三郎(ロッテ)、金村秀雄(曉、日本ハム)が1位指名を受けている。
【1位】
山村宏樹(甲府工):阪神→近鉄→楽天
紀田彰一(横浜):横浜→西武
嘉㔟敏弘(北陽):オリックス
田中宏和(桜井商):近鉄
城島健司(別府大附):ダイエー/ソフトバンク→マリナーズ→阪神
大村三郎(PL学園):ロッテ→巨人→ロッテ
金村秀雄(仙台育英):日本ハム→阪神→BC・信濃
【2位】
嶋重宣(東北):広島→西武
小関竜也(國學院栃木):西武→巨人→横浜
【3位】
福井敬治(智辯学園):巨人→広島→茨城ゴールデンゴールズ
朝山東洋(久留米商):広島
田中秀太(熊本工):阪神
福盛和男(都城):横浜→近鉄→楽天→レンジャーズ→楽天
五島裕二(山梨学院大附):オリックス
橋本将(宇和島東):ロッテ→横浜→四国IL・愛媛
櫻井幸博(仙台工):日本ハム
【4位】
斉藤宜之(横浜):巨人→ヤクルト
多村仁(横浜):横浜→ソフトバンク→DeNA→中日
川口憲史(柳川):近鉄→楽天
信原拓人(相生):ロッテ
【5位】
三輪敬司(愛工大名電):中日
横山竜士(福井商):広島
相川亮二(東京学館):横浜→ヤクルト→巨人
【6位】
田村恵(樟南):広島
加藤謙如(駒大苫小牧):横浜→オール苫小牧
【7位】
井上紘一(市和歌山商):広島→紀州レンジャーズ
池野昌之(富士宮北):ロッテ
1976世代の歩み:大学編
1976世代が大学4年生となった1998年は、甲子園が松坂フィーバーに沸いた年。ドラフト会議でも彼らの世代の選手が大きく注目された。次いで注目を浴びたのは1995年ドラフト会議で近鉄の指名を拒否し日本生命へ進んだ福留孝介や、一浪の後大阪体育大に入り投手として覚醒した上原浩治(巨人)がいた。高校生の1位指名が集中したこともあり、1976世代で1位指名を受けたのは逆指名制度を行使した宇高伸次(近鉄)のみ。ただし、矢野英司(横浜)、二岡智宏(巨人)、松修康(ダイエー)、里崎智也(ロッテ)が逆指名で2位指名を受けている。
下位指名では蔵本英智(中日)、河端龍(ヤクルト)、森笠繁、小山田保裕、新井貴浩(広島)らがいる。
【2位】
矢野英司(横浜→法政大):横浜→近鉄→楽天→米独立
二岡智宏(広陵→近畿大):巨人→日本ハム
松修康(宇都宮学園→東北福祉大):ダイエー/ソフトバンク
藤井彰人(近大附→近畿大):近鉄→楽天→阪神
里崎智也(鳴門工→帝京大):ロッテ
【3位】
小笠原孝(市船橋→明治大):中日
福原忍(広陵→東洋大):阪神
相川良太(暁星国際→東海大):オリックス
川井貴志(大阪桐蔭→城西大):ロッテ→楽天
【4位】
福本誠(法政二→法政大):横浜
蔵本英智(県岐阜商→名城大):中日
本郷宏樹(比叡山→龍谷大):ヤクルト
森笠繁(國學院久我山→関東学院大):広島→横浜
柴田博之(栗東→東北福祉大):西武
福山龍太郎(東筑→法政大):ダイエー
【5位】
河端龍(西城陽→龍谷大):ヤクルト
小山田保裕(土浦日大→城西大):広島→横浜
徳元敏(沖縄水産→東農大生物産業学部):オリックス→楽天→沖縄電力
【7位】
遠藤良平(筑波大附→東京大):日本ハム ※1999年ドラフト会議で指名を受けてプロ入り
1976世代の歩み:社会人編
1996年には、1994年に高校生として史上初の日本代表入りを果たし世界選手権で活躍した小野仁が逆指名制度を使って巨人に入団した。そして1997年に、遠藤竜志(広島)が1位指名を受けプロ入りした。また、1998年には高校卒業後に住友金属へ進んだ金城龍彦が同世代の大卒選手たちと共にプロ入りを果たしている。
なお、1976世代で最後にプロ入りしたのは山崎隆広と草野大輔の2人で、ともに楽天に入団。草野は妻子持ちでのプロ入りで、山崎はドラフト制度確立後では野手史上最年長となる29歳1か月(ドラフト当時)での指名だった。
1996年ドラフト指名
【2位】
小野仁(秋田経法大附→日本石油):巨人→近鉄
1997年ドラフト指名
【1位】
遠藤竜志(修徳→NTT関東):広島→REVENGE99
【2位】
篠原貴行(沖学園→三菱重工長崎):ダイエー/ソフトバンク→横浜/DeNA
【3位】
原田健二(生光学園→三菱自動車水島):日本ハム→阪神
【4位】
小田幸平(市川→三菱重工神戸):巨人→中日
土肥義弘(春日部共栄→プリンスホテル):西武→横浜→西武→米独立)
【6位】
日里正義(春日部工→佐藤工務店→全三郷クラブ):日本ハム→REVENGE99
1998年ドラフト指名
【5位】
金城龍彦(近大附→住友金属):横浜/DeNA→巨人
【6位】
伊藤剛(日大明誠→NTT関東):日本ハム
1999年ドラフト指名
【1位】
高橋薫(南稜→日本通運):ロッテ
【7位】
中野渡進(東海大菅生→三菱自動車川崎):横浜
2000年ドラフト指名
【1位】
井場友和(九州学院→福岡大→富士重工業):日本ハム→興農(台湾)→四国IL・長崎
【2位】
大久保勝信(日高→立命館大→松下電器):オリックス
愛敬尚史(金光第一→帝京大→松下電器):近鉄→楽天
【3位】
井本直樹(東海工→日本通運名古屋→新日本製鐵名古屋):中日
加藤竜人(徳島商→流通経済大→NKK):日本ハム
【4位】
赤星憲広(大府→亜細亜大→JR東日本):阪神
渡辺俊介(國學院栃木→國學院大→新日本製鐵君津):ロッテ→米独立→新日鐵住金かずさマジック
2001年ドラフト指名
【5位】
福川将和(大体大浪商→東農大生物産業学部→三菱自動車岡崎):ヤクルト
【6位】
飯島一彦(藤岡→神奈川工科大→新日本製鐵君津):ダイエー
【8位】
筒井正也(国士舘→国士舘大→ヤマハ):広島→中日
辻竜太郎(松商学園→明治大→ヤマハ):オリックス→楽天→BC・信濃
【9位】
本柳和也(春日部共栄→城西大→日本通運):オリックス
【14位】
藤本博史(明石南→河上薬品→阿部企業→米独立):オリックス→米独立→茨城ゴールデンゴールズ→中信(台湾)→四国IL・長崎→明石レッドソルジャーズ
2002年ドラフト指名
【7位】
塩屋大輔(明徳義塾→亜細亜大中退→米独立):オリックス→野田サンダーズ
【9位】
井戸伸年(育英→徳山大→住友金属→住友金属鹿島→米独立):近鉄→オリックス
2004年ドラフト指名
【自由獲得枠】
樋口龍美(日田林工→九州国際大→JR九州):中日
【4位】
マイケル中村(ウェズリー・カレッジ→南アラバマ大→ツインズ→ブルージェイズ):日本ハム→巨人→西武
2005年ドラフト指名
【8位】
草野大輔(延岡学園→NTT東京→NTT九州→ホンダ熊本):楽天
【9位】
山崎隆広(静岡商→中部大中退→NTT東海→NTT西日本):楽天
選手ピックアップ、からのベストオーダー
まずはオーダー候補となる選手をピックアップしてみる。
【投手】
◯先発候補◯
小笠原孝、土肥義弘、山村宏樹、渡辺俊介、川井貴志、金村暁、小山田保裕、本柳和也
◯リリーフ◯
福原忍、横山竜士、河端龍、篠原貴行、愛敬尚史、中野渡進、徳元敏、嘉㔟敏弘、井場友和
◯クローザー◯
福盛和男、大久保勝信、マイケル中村
【捕手】
城島健司、里崎智也、相川亮二、橋本将、小田幸平、藤井彰人
【内野手】
二岡智宏、福井敬治、田中秀太、新井貴浩、草野大輔
【外野手】
赤星憲広、嶋重宣、英智、金城龍彦、多村仁志、サブロー、斉藤宜之、森笠繁、柴田博之、小関竜也、川口憲史
【ベストオーダー】
1(中)赤星
2(右)嶋
3(指)城島
4(一)新井
5(左)多村
6(遊)二岡
7(捕)里崎
8(三)草野
9(二)福井
(先発)渡辺俊介
(中継ぎ)篠原貴行
(抑え)マイケル中村
今回は長打力重視のオーダーとしたが、捕手と外野手に好選手が多く、選ぶ人の好みで大きく人選が変わってきそうだ。草野大輔をセカンドに回し、新人王を獲得した00年は内野手登録だった金城龍彦をサードに配するというファイヤー感のある布陣も面白い。
投手にしても、先発を渡辺俊介とするか金村曉とするかが悩みどころ。中継ぎにしても福原忍や横山竜士、河端龍といった好投手がおり、抑えに至っては通算成績重視でマイケル中村としたものの福盛和男や大久保勝信も実績は十分だ。
次回は、来季も最年長キャプテンを担うことが報道された福留孝介の1977世代を取り上げます。