【プロ野球小ネタ】1973世代ベストオーダー組んでみた~投打にスターだらけ~
何年か前に「【プロ野球小ネタ】12球団監督の同世代でチーム組んでみた~石井&三浦&佐々岡監督編~」という記事を書いた。その中で取り上げた三浦大輔、石井一久の2人が名を連ねる1973世代は言わずと知れたスターだらけの世代。今回は改めてこの世代を深掘りしてみたい。(2025.8.17 初出)
1973世代って誰がいるの?
この世代を代表する選手と言えば、米野球界殿堂入りを果たしたイチロー(鈴木一朗)。説明不要のヒットメーカーだ。彼のほかにも日本球界で一時代を築いた選手が多く、打者では「平成の三冠王」こと松中信彦を筆頭に、中村紀洋、小笠原道大。投手では先述の三浦大輔、石井一久に加えて、「魂のエース」黒木知宏もいる。
統計で見る1973世代
1973世代でプロ入りを果たした選手は93人。70~79年の各世代では2番目に多い人数だ。指名順位別の内訳は以下の通り。
1位:11人
2位:14人
3位:14人
4位:12人
5位:17人
6位:13人
7位:8人
8位:3人
9位:1人
また、プロ入り前の最終キャリアで分けると以下の通り。
高卒:45人
大卒:18人
社会人:30人
高卒選手が突出して多く、合わせて大卒選手の少なさが目立つ。ちなみに前項で挙げた7人も高卒か社会人だ。
球団別での最多は西武と近鉄の12人。そのほかの内訳は以下の通り。
12人:西武、近鉄
9人:中日、日本ハム
8人:ダイエー、オリックス
7人:巨人
6人:阪神、広島、ヤクルト
5人:大洋/横浜、ロッテ
1973世代の歩み:高校編
1973世代が高校3年となった1991年は、春夏それぞれの大会で後にプロ入りを果たした選手が決勝戦に登場。春大会では松商学園の上田佳範(日本ハム)がエースで4番の中心選手として決勝戦に進んだが、サヨナラで広陵に敗れた。夏大会の決勝戦は沖縄水産の大野倫(巨人)と大阪桐蔭の萩原誠(阪神)が激突。乱打戦の末に大阪桐蔭が勝負を制したが、試合終了後に大野が肘を疲労骨折した状態で全試合完投する事態であったことが判明し問題となった。
この年のドラフト会議では上田と萩原に加えて、2年生の時に夏大会優勝を果たした谷口功一(巨人)、甲子園未出場ながら大型左腕として注目されていた石井一久(ヤクルト)が1位指名。4位で鈴木一朗と中村紀洋が、6位では三浦大輔が指名されている。なお、1991年ドラフトは各チームが後の中心選手を指名しており、史上屈指の大豊作ドラフトと語り草になっている。
【1位】
萩原誠(大阪桐蔭):阪神→近鉄→日本IBM野洲
谷口功一(天理):巨人→西武→近鉄→米独立
石井一久(東京学館浦安):ヤクルト→ドジャース→メッツ→ヤクルト→西武
上田佳範(松商学園):日本ハム→中日
【2位】
徳本政敬(木本):広島→オリックス
佐々木健一(徳島商):中日
永池恭男(福岡工大附):大洋/横浜→巨人→近鉄→楽天
萩原淳(東海大甲府):オリックス→日本ハム→ヤクルト
【3位】
佐藤貞治(鎮西):広島
熊澤当緒琉(所沢商):西武
若林隆信(佐賀学園):中日→広島→ミキハウス→宮崎ゴールデンゴールズ
品田操人(花咲徳栄):近鉄→米独立→ボローニャ(イタリア)
【4位】
松田和哉(長崎南山):西武
花島寛己(習志野):ロッテ
津川力(明徳義塾):ヤクルト
斉藤肇(星稜):大洋/横浜→兄弟(台湾)→日立製作所
中村紀洋(渋谷):近鉄→オリックス→ドジャース→オリックス→中日→楽天→横浜/DeNA
鈴木一朗(愛工大名電):オリックス→マリナーズ→ヤンキース→マーリンズ→マリナーズ
【5位】
杉田勇(富士学苑):広島→ダイエー
石本豊(藤代紫水):大洋/横浜→横浜球友クラブ
神野信也(新居浜商):西武
中川申也(秋田経法大附):阪神
三好正晴(川口工):巨人
高梨利洋(札幌第一):ヤクルト→サンワード貿易
仲光秀記(別府大附):日本ハム
井手元健一朗(四日市工):中日→西武→JR東海
北川晋(浪速):オリックス
背尾伊洋(大阪桐蔭):近鉄→巨人
【6位】
西芳弘(寺井):オリックス
工藤慎明(筑陽学園):阪神
羽根川竜(東北):巨人→ロッテ→兄弟(台湾)
鮫島秀旗(日生学園二):ヤクルト
根本隆輝(小松島西):日本ハム→阪神
三浦大輔(高田商):大洋/横浜/DeNA
千原淳弘(日高中津分校):西武
森山一人(邇摩):近鉄→ダイエー
【7位】
永川満寿(西淀川):中日
林孝哉(箕島):ダイエー→日本ハム→ロッテ
小畑幸司(所沢商):広島
上山勲(北嵯峨):近鉄
木立章成(専大北上):阪神
金子貴博(船橋法典):日本ハム
渡邉孝男(札幌篠路):西武→サンワード貿易→日本ハム→沖縄電力
【9位】
久保孝之(上宮):ダイエー
1973世代の歩み:大学編
1973世代の多くが大学4年となった1995年のアマ球界は、福留孝介を中心とした高校生選手が高い注目を集める。この年のドラフト会議でもその流れを受け、大学生で1位指名を受けたのは同志社大のエースだった細見和史(横浜)、打って走れる捕手として注目された高木大成(西武)、明治大で通算116安打を放った中村豊(日本ハム)の3人。このうち中村を指名した日本ハムは先に福留をクジで外した上での指名だった。
ユニバーシアード日本代表4番の実績を引っ提げてプロ入りした清水隆行(巨人)は1年目から外野のレギュラーを勝ち取り、安打を量産。ルーキーイヤーから11年連続100試合以上出場を記録している。また、同じくユニバーシアード日本代表としても活躍した東北福祉大のエース・門倉健(中日)も1年目から先発ローテーションに割って入り、2年目には10勝12敗の成績を収めた。
このほか、名将・野村克也の実子としてマスコミの注目を浴びた野村克則(ヤクルト)、近鉄でリリーフとして活躍した岡本晃が指名された。
また、1996年には国立大出身者初のプロ野球選手となった杉本友(オリックス)が1位指名を受けている。
【1位】
細見和史(北嵯峨→同志社大):横浜→西武→阪神
中村豊(上宮→明治大):日本ハム→阪神
高木大成(桐蔭学園→慶応義塾大):西武
杉本友(川越→筑波大):オリックス→横浜→ヤクルト ※1996年ドラフト会議で指名を受けてプロ入り
【2位】
岡本晃(三田学園→関西大):近鉄→オリックス→SV ADO(オランダ)→米独立
門倉健(聖望学園→東北福祉大):中日→近鉄→横浜→巨人→SK(韓国)→サムスン(韓国)→伊達聖ヶ丘病院
荒井修光(我孫子→早稲田大):日本ハム
【3位】
野村克則(堀越→明治大):ヤクルト→阪神→巨人→楽天
武藤孝司(横浜商→創価大):近鉄
清水隆行(浦和学院→東洋大):巨人→西武
藤井優志(金沢→大阪学院大):中日
【4位】
岸川雄二(佐賀学園→神奈川大):西武
倉本慎也(宮島工→広島経済大):近鉄
【5位】
大野倫(沖縄水産→九州共立大):巨人→ダイエー
大塔正明(近大附→近畿大):中日
【6位】
益田大介(滝川二→龍谷大):中日→近鉄→楽天
福田信一(鳴門→青森大):ダイエー
青木和義(出水中央→九州産業大):西武 ※1996年ドラフト会議で指名を受けてプロ入り
1973世代の歩み:社会人編
1973世代の高卒社会人が指名解禁となった1994年には、この年の社会人野球日本選手権で準優勝した日産自動車の北川哲也(ヤクルト)、東京ガスの富岡久貴(西武)が逆指名制度を使い1位指名でプロ入り。同2位で本田技研鈴鹿に補強選手として加わり都市対抗野球優勝に貢献した新王子製紙春日井の黒木知宏(ロッテ)、同5位にはアルバイト生活から入団テスト合格を経てプロ入りを勝ち取った城石憲之(日本ハム)がいる。
1995年以降、社会人出身で1位指名を受けたのは舩木聖士(阪神)のみ。しかし、プロ入り後チームの中心となる選手が続々と指名されており、1996年は松中信彦(ダイエー/ソフトバンク)、小笠原道大(日本ハム)、小坂誠(ロッテ)、塩崎真(オリックス)が入団。1997年には坪井智哉(阪神)と小林幹英(広島)、1998年には川越英隆(オリックス)、2000年には三井浩二(西武)がプロ入りを果たしている。
なお、2025年現在、西武の球団本部長を務める広池浩司(広島)も1973世代で、カープアカデミーでの練習生生活を経てプロ入りを果たした異色の選手であった。
1994年ドラフト指名
【1位】
北川哲也(暁星国際→日産自動車):ヤクルト→シダックス
富岡久貴(高崎工→東京ガス):西武→広島→西武→横浜→西武→楽天→BC・群馬
【2位】
山田洋(大垣工→日本通運名古屋):中日→横浜
黒木知宏(延岡学園→新王子製紙春日井):ロッテ
【3位】
南真一郎(新宮商→新日本製鐵堺):近鉄→巨人
【5位】
城石憲之(春日部共栄→青山学院大中退):日本ハム→ヤクルト
寺本比呂文(甲佐→川崎製鉄神戸):西武
1995年ドラフト指名
【1位】
舩木聖士(尾道商→NKK):阪神→ロッテ
【2位】
薮田安彦(上宮→新日本製鐵広畑):ロッテ→ロイヤルズ→ロッテ
【3位】
沼田浩(初芝→デュプロ):日本ハム→NOMOベースボールクラブ
【4位】
早川健一郎(東海大相模→日産自動車):ロッテ→阪神
1996年ドラフト指名
【2位】
松中信彦(八代第一→新日本製鐵君津):ダイエー/ソフトバンク
【3位】
谷中真二(泉州→小西酒造):西武→阪神→オリックス→楽天→西武
塩崎真(熊本工→東洋大中退→新日本製鐵広畑):オリックス
小笠原道大(暁星国際→NTT関東):日本ハム→巨人→中日
磯部公一(西条農→三菱重工広島):近鉄→楽天
【5位】
小坂誠(柴田→JR東日本東北):ロッテ→巨人→楽天
岡本克道(柳ヶ浦→東芝):ダイエー/ソフトバンク
1997年ドラフト指名
【2位】
川中基嗣(東山→東洋大→日本通運):巨人
【4位】
坪井智哉(PL学園→青山学院大→東芝):阪神→日本ハム→オリックス→米独立
小林幹英(新潟明訓→専修大→プリンスホテル):広島
【6位】
代田建紀(藤嶺藤沢→城西大→朝日生命):近鉄→ヤクルト→ロッテ
【8位】
平松一宏(倉敷商→広島経済大→JR西日本):巨人→中日
1998年ドラフト指名
【2位】
川越英隆(学法石川→青山学院大→日産自動車):オリックス→ロッテ
【5位】
水田章雄(清教学園→立命館大→大和銀行):ダイエー/ソフトバンク
【8位】
広池浩司(立教→立教大→全日本空輸→カープアカデミー):広島
1999年ドラフト指名
【4位】
岩下修一(浜松工→三菱重工名古屋→三菱自動車岡崎):オリックス→日本ハム
【6位】
鷹野史寿(浦和学院→国士舘大→日産自動車):近鉄→楽天
2000年ドラフト指名
【2位】
三井浩二(足寄→新日本製鉄室蘭→新日本製鐵広畑):西武
2001年ドラフト指名
【7位】
養父鉄(帝京三→亜細亜大→日産自動車→兄弟[台湾]):ダイエー→米マイナー→兄弟(台湾)
選手ピックアップ、からのオーダー
さて、以前の記事でも一度打線を組んでいるのだが、改めて選手のピックアップから行ってみる。
【投手】
○先発候補○
門倉健、三浦大輔、石井一久、黒木知宏、川越英隆
○リリーフ○
広池浩司、山田洋、富岡久貴、谷中真二、三井浩二、薮田安彦、岡本克道、萩原淳、南真一郎、岡本晃
○クローザー○
小林幹英
【捕手】
野村克則
【内野手】
川中基嗣、永池恭男、高木大成、小坂誠、林孝哉、松中信彦、塩崎真、城石憲之、小笠原道大、中村紀洋
【外野手】
清水隆行、坪井智哉、益田大介、イチロー、中村豊、上田佳範、鷹野史寿、代田建紀、磯部公一
【ベストオーダー】
1(左)清水隆行
2(一)小笠原道大
3(右)イチロー
4(指)松中信彦
5(三)中村紀洋
6(中)坪井智哉
7(二)城石憲之
8(捕)高木大成
9(遊)小坂誠
(先発)石井一久
(中継ぎ)薮田安彦
(抑え)小林幹英
圧巻というにふさわしい布陣である。左打者だらけという難しさはあるが、これだけ打てる打者が揃っていればさほど重要な問題でもないだろう。以前の記事では捕手に磯部公一を選んだが、守備面を考慮して今回は高木大成を選んだ。