だう。語りき。

だう。という人が音楽とかプロ野球とかドラクエとかその他自由に語るブログなのだそうです。

【プロ野球小ネタ】じゃあどこが「大成した投手」を多く輩出したのかってことですよ

こんちはっす。

 

先日、こんな記事がありました。

「大阪桐蔭」出身のピッチャーはプロで大成しない? 平成以降に入団した14名を検証

見出しの内容で読者を煽るためか、検証の順番が変だな、というのはさておき……前々からネットでネタになっている話題を改めて検証した、といったところでしょうか。確かに、野手に比べると投手で大成した選手が少ないのは事実だったりします。

 

ならば、ですよ。大成した投手を多く輩出している高校も当然あるはず。

 

というわけで、今回は名球会入りor主要タイトル保持者を中心に大成した投手を割り出し、その出身高校をリサーチしました。

1.リサーチ対象の選手

今回リサーチ対象とした選手は、名球会会員の投手(退会者含む)と、1950年以降の投手部門主要タイトルホルダー(最多勝最優秀防御率最多奪三振、最高勝率、最多セーブ投手[最優秀救援投手含む]、最優秀中継ぎ投手[最多ホールド投手含む])の、全281選手。

出身高校について、名称は最新のものに合わせて集計しています。(例:秋田経済法科大学附属高、明桜高→ノースアジア大学明桜高)

至極アナログな手法で集計を取っていますので、間違い等あれば御容赦を……。

 

2.同率4位が6校

当初予測していたよりも、出身校にかなりバラつきがありました。それこそ北は北海道から南は沖縄まで、47都道府県で最低1校以上はあるかもしれません。

そんなところで、同率4位に6校が並びました。北から見ていきましょう。

まずは東北高宮城県)。今年で創立126周年を迎える伝統校で、近年ではプロゴルファーの輩出も目立ちます。現役選手で名を連ねたのが、ダルビッシュ有選手。NPBのみならず、メジャーでも最多奪三振(2013年)に加えて今季は最多勝利を獲得しました。そのほか、現・ヤクルト投手コーチの斎藤隆氏、元横浜の佐々木主浩氏と新旧のメジャーリーガーが並びました。

続いては作新学院(栃木県)。こちらも学校の歴史としては今年135周年を迎える伝統校。甲子園優勝回数は春夏合わせて3回を数える強豪です。こちらの出身者として最も有名なのは江川卓氏。高校生の時から怪物の異名をとり、全国に名を轟かせていました。そのほか、現・サムスンライオンズ二軍監督の落合英二氏、ロッテで監督を務めた八木沢荘六氏がいます。

次は県立岐阜商業岐阜県)。こちらは創立116周年と前述の2校に比べるとやや若いものの、創立100年を超える伝統校。出身選手には、毎日オリオンズ設立直後に中心投手として活躍した野村武史氏、セリーグ初の新人王受賞者の大島信雄氏、近鉄草創期の主力投手でパリーグ初の完全試合達成者・武智文雄氏がいます。

東海地方からもう一校、中京大学附属中京高(愛知県)です。こちらは創立97年。広島や中日で活躍した紀藤真琴氏、南海一筋で晩年は野手転向した林俊宏氏、中日一筋の山中巽氏が名を連ねています。

大阪体育大学浪商大阪府)は中退者を含む集計でこの順位に滑り込みました。その中退者とは尾崎行雄氏で、プロ入りのために同校を中退するとその翌年、同世代で誰もが一番に挙げるほどの快速球を武器に20勝をマークして新人王を獲得しました。ほかには横浜で監督を務めた牛島和彦氏、フライヤーズの中心選手だった米川泰夫氏がいます。ちなみにこちらは創立99年と前述の3校に比べるとやや若いです。

高知商業(高知)からは創立122年の歴史にふさわしく(?)球史に残る抑え投手が揃い踏み。今季限りで引退を表明した阪神藤川球児選手は火の玉ストレートと呼ばれる速球を武器に、最多セーブと最優秀中継ぎのタイトルを2回ずつ獲得しました。鹿取義隆中西清起の両氏もリリーフエースとしてチームを支えました。

 

3.同率2位が2校

同一校から球史に残る名投手が4人以上輩出されるのはレアケース……ということで、2位には東西の強豪2校がランクインしました。

東は横浜高(神奈川県)。現役では平成の怪物の異名で社会現象にもなった西武・松坂大輔選手と、今季から楽天で先発の一角を担う涌井秀章選手、そして現在BCリーグ・栃木で選手兼任コーチの成瀬善久選手。加えて、横浜や日本ハムでリリーフエースとして活躍した横山道哉氏がいます。

そして西はPL学園大阪府)。現在は惜しくも廃部となりましたが、現役ではツインズの前田健太選手。そして桑田真澄野村弘樹入来祐作の三氏がいます。入来氏はパリーグ在籍経験もありますが、4人ともセリーグ出身の選手という共通点も。

どちらの高校も80年代以降に投手を輩出している点は興味深いです。 

 

4.栄光の1位は……!

いよいよ1位の発表。この高校からは5人の名投手が出ています。その高校とは……

 

広陵広島県)です!(ファンファーレ)

 

広陵高自体は今年で124年の歴史を持つ伝統校で、春のセンバツでは3度の優勝を誇る強豪校でもあります。その一方で野手の輩出は多くあるものの、大物投手の登場は90年代を迎えてから。引退した選手では福原忍西村健太朗の両氏。そして現役では吉川光夫野村祐輔有原航平の3選手が活躍しています。西村氏と吉川投手は高卒、ほかの3選手は大卒でのプロ入りです。

 

5.おわりに

今回は名球会入りした選手と、昨季までの特定タイトルホルダーに絞り込んで調べてみました。調査のきっかけになった大阪桐蔭名球会入りした投手こそいないものの、今中慎二氏、藤浪晋太郎投手と二人のタイトルホルダーを輩出しており、今回のランキングでは惜しくも次点。そう考えると「なあんだ、言うほど大成していないわけじゃないじゃん」と思います。

一方で、6度の甲子園優勝を誇る広島商業からは山本和行氏(元阪神)のみ。甲子園優勝5回の松山商業高からは西本聖氏(元巨人、中日など)のみと、予想外の結果もありました。

深掘りしてみるともっと面白いものが見えてきそうです。