【プロ野球小ネタ】高卒生え抜きの投手が主戦力になりきれていないチーム、多くない?そうじゃない?
毎度です。
先日、こんな記事を見たんですよ。
DeNAに高卒生え抜き先発投手は出てくるか? 三浦以来規定投球回到達者は不在 | ニュース 高校野球関連 | 高校野球ドットコム
記事の冒頭で示している通り、DeNAはドラフト上位で大学生・社会人の選手を獲得してきました。
これはチームを短期間で強化するための方針とも思えるもので、DeNAが親会社になって以来ほぼ一貫しています(DeNA初年度である2012年のドラ1は白崎浩之選手ですが、その前に東浜巨選手を指名しクジを外しています)。
でね、この記事を読んでいると、疑問が湧いてきたんですよ……。
1.DeNAは高卒投手がなかなか戦力になりきれていないと云ふ
記事中にこんな一文があります。
一方で高卒の投手はなかなか戦力になりきれていない。とくに先発投手は深刻である。
記事によると、前身球団含めて、高卒生え抜きの投手で規定投球回に達したのは2013年の三浦大輔氏(現2軍監督)が最後なのだそうな。以後6年、高卒生え抜きで規定投球回に達した投手はいません。確かにいませんでした。いませんでした。いませんでした。
リリーフで主力になった投手まで見てみると、砂田毅樹投手(2013年育成1位)が該当しますかね。19年は16試合の登板に留まりましたが、17年は62登板で25ホールド、18年は70登板で24ホールド。
というかドラフトで見ても、2010年や2008年などは高卒選手の指名すら無かったりします。高卒選手を避けているわけではないでしょうが、高卒選手を多く獲得するイメージがあまり無いのも確かです。
2.じゃっ、他球団はどうなのか、と云ふ
でもこれって、DeNAだけに限った話なのでしょうか、と思ったのですよ。
他球団も結構困ってるんじゃないの?どうなの?と思ったのですよ。
そんなわけで、DeNA以外の球団で、直近で規定投球回到達した高卒生え抜き投手を列挙してみます。()の数字は規定投球回到達した直近の年です。
オリックス:山本由伸(2019)
ソフトバンク:千賀滉大(2019)
西武:菊池雄星(2018)
ロッテ:二木康太(2017)
巨人:田口麗斗(2017)
広島:前田健太(2015)
ヤクルト:八木亮祐(2013)
中日:朝倉健太(2009)
ん?DeNA以上に深刻なチームがチラホラ……。
西武は菊池雄星投手(マリナーズ)がメジャー移籍していますが、昨年で見ると今井達也投手が135.1回、髙橋光成投手が123.2回と、到達目前まで投げています。今年は期待できるんじゃないでしょうか。
広島・ヤクルト・楽天・中日の4球団はすでに移籍or引退した選手がラインアップという苦しい感じ。でも、西武みたいに若い世代が育ってきていれば大丈夫でしょ!
広島はアドゥワ誠投手が91.2回(先発登板は14試合)。あとは2軍で実績を残した山口翔や高橋樹也がいますが、今季の先発は大卒投手と外国人投手で埋まりそうな感じがします。
楽天は抑えから転向の松井裕樹投手がどれだけ先発にフィットできるかに尽きると思います。もしくは、辛島航投手が2014年以来の到達なるか、といったところ。先発枠争いは厳しいですが、まだ全然老け込む歳ではないですもんね。
ヤクルトは何といってもゴールデンルーキーの奥川恭伸投手に注目が集まりますが、さすがに今季の早いうちから先発で鮮烈デビュー!というのは想像しにくいところ。順当に考えていくと、昨季4勝の高橋奎二投手が期待の一番手に上がってきます。
実は10年以上高卒投手が規定投球回に到達していない中日なんですが、こちらは将来のエース候補がそろって高卒投手なので、ひょっとすると今季で塗り替えられるかもしれません。筆頭は5年目の小笠原慎之介投手。昨季はケガで出遅れましたが、大野・柳・ロメロの三本柱に次ぐ先発ローテーション候補として期待は高いでしょう。そして共に3年目で昨季結果を出した山本拓実・清水達也の両投手も期待が高い投手。ライバルの大卒投手たちとの先発枠争い次第では、今季の飛躍も夢ではありません。
3.まとめを出せと云ふ
DeNAの面白いところは、決して高卒投手自体が育っていないわけではなく、砂田投手のようにリリーフで頭角を現してきた選手がいること。球団の方針として高卒投手の獲得は下位指名に集中していますが、彼らが順当に育てば投手王国の確立は目の前。
記事でも名前が挙がっていた櫻井周斗投手は昨季14試合に登板、着実にステップアップを重ねています。
中継ぎ主力⇒先発入りもあるかもしれません。今後の飛躍に期待です。