だう。語りき。

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村野真朱/依田温『琥珀の夢で酔いましょう』②を読んだのだ

こんにちは。

美味しいお酒、飲んでますか。

楽しいお酒、飲んでますか。

美味しいクラフトビールのマンガ『琥珀の夢で酔いましょう』第2巻が出ていました(初版の日付を見たら、2020年1月でした……)。

 

第1巻に引き続き、今回も感想を書いてみたいと思います。

 

※例によってそこそこ以上にネタバレします!

※※Web版での連載はこの単行本より5話分ほど進んでいます!Web版を読んでいる方は「今そこの話なの?」的な感じになるかもですが、なにとぞご了承ください!

第1巻の感想はこちら

 

 

1.やっぱりクラフトビールが好き!

第2巻で登場した銘柄は13種。1話につき2種以上のペースでクラフトビールが登場します。

詳しくは是非とも単行本で確認してほしいのですが、今や“全国区”となったよなよなエールから、アルコール度数1%未満の常陸野ネストビール ノン・エールまで、多様なラインナップが揃っています。

 

実は私、第1巻の感想で「1話1種」と書いてしまいました。てっきり、1つの回につきその話を象徴するような銘柄を1つ提示していく感じになるんかなと思ってたんです。

ところが本作は、1話2種を最低限のノルマと言わんばかりに、様々な種類のクラフトビールが登場します。

 

出し惜しみしないな~気前いいな~何でだろうな~と思ったのですが、よくよく考えたら1話1種だと不自然ではないかと気付いたのです。

 

専門店やバーなどでクラフトビールを飲む時、1種類で完結することはほとんどありません。いくつかの銘柄を飲み比べて風味の違いを味わったり、自分の好みを追求していくのがクラフトビールの楽しさの一つです。

となれば、1話1種のスタイルではかえって不自然。2つ3つと並んだビールのラベルを見て、七菜や隆一、鉄雄のセリフを読んで、その味をイメージしていく方がより、その場で飲み比べをしているようなリアリティを得られるのです。

 

ちなみに私が気になったのは宮下酒造(岡山)さんのピーチピルス。フルーツフレーバーのお酒は何だかんだで美味しいんですよね。

あと、パンとビールの組み合わせも試してみたい!パン屋さんで好みのパンを買い、公園でピクニック気分……憧れますなぁ☆

 

2.気になるキーパーソンたち

前回の記事の終わりで、今後気になる登場人物に早乙女部長(七菜の職場の部長)、鉄雄の幼なじみで人気女優のMAKOTO(本名の表記は慎)、そして料理評論家のグリフ・ハーヴェイの3人を挙げました。

 

彼らのうちグリフはほぼ名前だけの登場でしたが、早乙女部長は第7話「おつかれさまの城」で、MAKOTOは第7話以降どんどん出番を増していく形となりました。

第9話「Come and Get Your Life side:B」でのデート(?)を経て、いちファンと女優という関係から“仲間”へと関係を深めた七菜とMAKOTOの2人。隆一と鉄雄を入れて、クラフトビールイベント「十月はたそがれのビール」開催に向けて動き出します。

MAKOTOもまた、自身の在り方について壁の前に立っていた者の一人。彼女がどう動くのか、そして彼女が3人にどのような作用をもたらすのか。目が離せません。

 

で、気になることが一つ。

それは早乙女部長の存在です。

 

第7話で七菜は、早乙女部長についてポソリと「MAKOTOちゃんに顔似てるし」と評しています。

まあ確かに似てるんです、二人とも。顔が。

第7話でちょろっと出てきた早乙女部長の名前は、「慎吾」。そして第9話で明かされたMAKOTOの本名は「四ノ宮慎」

 

あ、名字違うやん。

 

でも、名前に同じ字を使うって、あります?

 

何もなさそうな気もしますけど、もしかすると、ひょっとすると……みたいな期待もしてしまいます。なかなか同一作品の主要キャラで名前の一字を被せてくるってありませんよ。これ絶対なんかありますって。いやわかんないですけど。

こちらはこちらで楽しみです。

 

3.グッときたシーン

この巻でグッとくるのは何といっても第9話。七菜がMAKOTOに隆一や鉄雄との出会いを語る場面でしょう。

みんなでビール飲んでると

女とか派遣とかって一部分(パーツ)から

「あたし」に戻ってく気がする

自分を大きく見せようとか、周りの人間たちに常に身構えながら行動するのではなく、自身や相手の感性に素直に振る舞える“自由”な時間。七菜にとってそれは仲間たちとクラフトビールを酌み交わすひととき。そのことを十分に噛みしめているからこそ、出てきた言葉でしょう。

あたしも

もっと自由になりたいし

みんなに自由を感じてもらいたい 

この七菜の一言が、MAKOTOも自身の中に押さえ込めていた“慎”と向き合うきっかけとなりました。

 

ちょっと小さめのコマですけど、上のセリフの後に出てくる137ページ目の七菜とMAKOTOの表情がいいんだ。

剣崎“MAKOTOの熱烈ファン”七菜と“女優”MAKOTOという関係性が作っていたわずかな距離が、ふっと解消された瞬間の、2人の表情。こういうのに弱いんじゃ。

 

4.おわりに

今回は七菜とMAKOTOをクローズアップしましたが、彼女らがデートを楽しんでいる間の男性陣のお話、第8話「Come and Get Your Life side:A」もキモ。表裏一体でうまく四者を描いています。チェケ。

半年に一度のペースくらいで単行本が出ているので、次は……ん、来月か?

今度はちゃんと発行のタイミングでゲットせねば。

そんなわけで、次巻も期待!なのです。